以前の記事で私は本書『最高の体調』で炎症にフォーカスしていると書きました。
殆どの方が経験しているであろう謎の不調と炎症は明確に連動している。
ということをこれからご紹介していきます。
まず本書では古代人(狩猟採集民)と現代人の生活を比較しています。まさしく文明病である、現代人の生活には問題があり狩猟採集民の生活の方が良かったと言っています。
・狩猟採集民⇒外傷や感染による短中期的な炎症がメイン。激しい発熱や嘔吐など周囲から見てすぐにわかるような症状が出る。
・現代人⇒体内で延々とくすぶる長期的な炎症がメイン。誰にでもわかるような症状は表には出ず、少しずつ不調が進 行する。
この古代と現代の違いの役に立つ枠組みが次のパターンです。
多すぎる⇒古代では少なかったものが現代では多すぎる。
少なすぎる⇒古代には豊富だったものが、現代では少なすぎる。
新しすぎる⇒古代には存在していなかったものが、現代になって現れた。
私はこの「新しすぎる」というところはかなり大事なところだと感じました。人間は文明の進化を続けて進化を求めている生き物です。数年もすればどんどん新しいものが誕生しているということは言うまでもないでしょう。
上記の「多すぎる」例は「カロリー」です。
現代人の1日の平均摂取カロリーは1970年代から現代に至るまで約400キロカロリー以上増えているそうです。そのため、糖尿病や高血圧患者が増加しています。
私たちの脳と体は「低カロリー」には対応できますが「高カロリー」には対応できないように設計されています。
続いて「少なすぎる」で思いつくのは「睡眠」です。
日本人は他国と比べると平均睡眠時間は少ない国です。この睡眠時間を2016年に研究したというデータがあります。
この結果から、睡眠の少なすぎも多すぎもよくないということが分かります。
狩猟採集民は目覚まし時計なんて持っていなかったのに必ず同じ時間に夜中に目を何度も覚ますこともなく起床していたそうです。
最後に「新しすぎる」例は「トランス脂肪酸」です。
これは人体には悪影響として有名なものの1つです。マーガリンがまさしくこれです。
トランス脂肪酸は肝臓の動きを乱します。
このトランス脂肪酸は人体にとって「新しすぎる」せいでうまく材料として使えず、結果として悪玉コレステロールが生成されてしまいます。
更に「孤独」も「新しすぎる」事例として挙がっています。「不安」に近い感じもしますが、れっきとした炎症と言えるでしょう。これは「鬱病」も同じです。
孤独は現代では大きな問題にもなっていますが、2021年現在においてはコロナ渦の影響もあって孤独の時間がかなり多くなっています。
孤独は全身に炎症を起こし、早死にさせるリスクを高めることが分かったというのです。孤独感が強い人は早期死亡率が26%も高まり、社会からの孤独が長引けば、その数字は32%にもアップするそうです。
これはほんの一部の例にすぎません。皆さんの中でも思い当たる「多すぎるもの」「少なすぎるもの」「新しすぎるもの」があるのではないでしょうか。
私たちの体は知らず知らずにどんどん炎症をし続けているのです。
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