『天才を殺す凡人』という本をご存じでしょうか?
ビジネス・自己啓発本が好きという方ならご存じだと思います。
こちらの本は2020年読書が選ぶビジネス書グランプリで自己啓発部門賞に選ばれるほど人気のある、多くの人に読まれた名著です。
タイトルからして、とても斬新かつ興味を惹かれます。
去年上司から本書の内容について少し教えていただいたこともあり、興味もあったので読んでみようと思いました。
そこで今回はこの『天才を殺す凡人』を読んだ感想と内容を書きます。
まず「天才・秀才・凡人」の3種類の人間がいるということで、それぞれには特性がありました。
- 天才⇒「創造性」
- 秀才⇒「再現性」
- 凡人⇒「共感性」
この3者は互いに殺しあっているというもので、タイトルでいう凡人は共感性が強いため、天才の創造性についていけない、または理解ができないため否定してしまいます。つまり、天才が「私はこんなことを考えている。こんなことをやってみたい」というものに関して凡人は「そんなのできっこないだろ、何言ってんだよ」と突き放す。これが天才を殺す凡人ということです。
更に天才がなかなか凡人から認めてもらいにくいのは「創造性があるが再現性がない」ことが多いからです。
それ故凡人からすると秀才は再現性があるため、秀才を天才だと勘違いし憧れます。
もちろん再現性のある秀才は凄いのですが、それも天才が生み出した創造性があってこそのところがあったりもしますので、秀才は天才に嫉妬を抱きます。
なんだか人間の性格みたいで面白いなと思いました。
更にこの3者には見分ける話し方の特徴があります。その話し方の注目すべき点は主語です。
- 天才⇒「世界」・「真理」を主語として語る。
- 秀才⇒「組織」・「ルール」を主語として語る。
- 凡人⇒「人」を主語として語る。
普通の人なら天才の主語を見たら「中二病かよ」みたいな変人扱いしそうですが、「人」を主語として語っている凡人さん、秀才に見下されていますよ。
この本で私がとても共感できたのが「多数決」というところです。
普段から思っていたのですが世の中多数決で動いていることが多いです。天才や秀才は正しく「少数」に分類され、凡人は「多数」に分類されます。
Amazonでなにか商品を購入しようと思ってレビューを確認したとき、100件のレビューがあってその星の平均が2.0だったら買うのをためらいませんか?
もしも芸能人でものすごく批判されている人がいたら「みんな嫌っているから」なんて言ってそれに乗っかっている人いませんか?
この「多数決」も天才が凡人に殺されてる原因の1つになってしまっていると考えられるでしょう。
天才は基本的に挑戦することを望みます。こんな事業をやってみたいというようなイノベーションを起こそうとします。それに対して凡人の殆どは安定を望んでいるので天才が起こそうとしている変化を嫌う傾向があるのかもしれません。
この本でもう1つ好きだったところが「自分の言葉で伝える」というところです。
ちょっとここはコミュニケーションの部分になるのですが、ここも共感ができたので書きます。
テレビドラマや小説で企業の会議のシーンがあります。そうすると難しい言葉やビジネス用語の横文字がずらずらと出てきて正直嫌になることが私はあります。語彙力がないし国語が苦手というのもありますが、もっと思うのは「その言葉でなくてもよくない?」というのが率直な気持ちです。
「なんでわざわざ横文字使うの?寧ろそうじゃないほうがみんなに伝わりやすいよね?」って思いませんか?
「その言葉を使った方がビジネスマンっぽい」とかで無理して使っていたり、「会社ではそれが普通だ」みたいなのだったら自分の伝えたい言葉や気持ちが伝えられなさそうに感じてしまいます。
本書ではそこを語っており、他人の言葉を使っていると表現しています。
大事なのは相手が理解すること(相手に伝わること)であって言葉なんかどうでもいいと思いました。
この本が人気の理由がよく分かりました。そして誰もが天才・秀才・凡人になる素質を持っていることも分かりました。自分がどの辺りに属しているのかという自己分析もできましたし楽しく読むことができました。
スティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾスのような世界に名を轟かせる人たちは正しく天才なんだと改めて実感しました。周囲からの批判もあるなか自分を信じてやりたいこと、新しいことに挑戦し続け成功しています。
この本を読めば将来の天才を見抜くことができるかもしれないというのは言い過ぎかもしれませんね。
最後になりますが本書の『あとがき』で著者がこの本を書いた理由をこう述べています。
「人の可能性を阻害するものに、憤りを感じるから」
素敵ですね。
頑張っている人や挑戦している人の邪魔する奴は許さない。だけどそういう人達が世の中には沢山いるというわけですね。
とてもためになりました。ありがとうございます。そして最後までこの記事を見てくださったあなたにも感謝致します。
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