今回はこの本のタイトルである1分で話す(伝える)内容をまとめます。
私が最も注目していた部分ですのでもあり、今までいかに自分が相手にロジカルに伝えていなかったのか理解できたポイントでもあります。
皆さんも是非参考にしてみてください。
1分で伝える
てっぺんのないピラミッドになっていないか
まずここで例を挙げます。
Aさん「この商品はお客さんが絶賛していました。販売店も受注に前向きです。実際に数字も上がっています」
Bさん「この商品は増産すべきではないでしょうか」
どちらのほうが伝わりやすいでしょうか?
ロジカルに話す場合、『ピラミッドストラクチャー』というものをよく使用します。
ピラミッドストラクチャーとは、まず三角形を描き、その頂点を「結論」とし、下の底辺を「根拠」を3つ並べたものです。
先ほどのAさんは、このピラミッドでいう「根拠」だけがあり、「結論」がありません。
事例やデータをいくら重ねても、相手はこのデータや事実から何を読み取ればいいのか全く分からないのです。
だから相手は「で?」となってしまうんです。
私もこれをよくやってしまいました。相手は「結論(結果)」を聞きたいだけなのにいつまでも根拠(理由や言い訳)をべらべらと語っていました。大反省です・・・。
ポイント!
「これが結論です」
「理由は〇で〇で〇だからです」
「わかった」
以上。これだけです。
伝えるために大切なことは、まず結論を述べ、その後に理由を述べることです。英語がまさにいい例ですね。
ここでのキーワードがあります。
「ピラミッドでロジカルにストーリーを考えよう」
ロジカルと言われると難しい感じもしますが、少しずつ意識をしながら習慣化していきましょう。
根拠は3つ
結論があるには理由は必然条件です。この2つをしっかりと述べなければいけません。
これは「1分で話せ」の基本形だとここで言っています。
著者はこの3つという数を意識していて、結論に対して根拠(理由)を3つ考えています。
「私の主張はこうです。理由は3点あって、1点めはこう、2点めはこう、3点めはこうです」
といった感じです。
著者が講演をした際、「理由は3点あります」と指を3本立てた途端、聞いていた人たちは一斉にノートをとりメモをしだしたというのです。
「理由は3点あります」にみんな反応したんですね。ここからは私の意見ですが、それとプラスαで、「理由は3点あります」と一旦区切ったことにより、メモを取る準備の時間を与えたことも良い点だったのではないかと私は思いました。もしも「結論はこうです。理由は〇と〇と〇だからです」といきなり言われたらメモを取り損ねてしまうかもしれないからです。
にしてもこれはかなり使えるテクニックだと私は思いました。
意味がつながっていれば「ロジカル」
これはどういうことなのか。著者はいろんなロジカルシンキングの本を読み、そこで至った考えが、「意味がつながっていれば、人は話を理解できる」です。
「結論と根拠」は「意味がつなっがている」必要があるのは当たり前なのかもしれませんが、実際にはそうではない会話もあるわけです。
ここでの例を挙げます。
例)
「雨が降りそうだから、傘を持っていく」
「雨が降りそうだから、外出しない」
これはわかりますね。では次のはどうでしょうか。
「雨が降りそうだから、ガムを噛もう」
はい、意味不明です。
もしかするとこの人は雨が降った時にガムを噛まないと体調が悪くなるとか、何か自分にとって都合がよくないことがあるのかもしれません。ですがこれは自分にだけにしか理解できていません。他の人が聞いたら「は?」となります。
「主張と根拠の意味がつながっている」というのがロジカルです。
推理小説はこのロジックがかなり大切で、推理をしている時にこのロジックのつじつまが合っていないと「ロジックエラー」が発生して事件が解決できません。
また例を挙げます。今度は「僕は、自分が勤めている会社が大好きだ」という主張があったとします。なんで?という理由を3つ挙げますので皆さんも考えてみてください。
- 働きやすいから
- 一緒に働いている人たちが素敵だから
- 会社の業績がいいから
どうでしょうか。どれもよくありそうな理由だとは思います。 ですが3番の「会社の業績がいいから」はちょっと違うんじゃない?というのがここのポイントです。
「働きやすいからこの会社が好きだ」、「一緒に働いている人たちが素敵だからこの会社が大好きだ」確かに意味が通じますね。「会社の業績がいいから、この会社が大好きだ」というのは、改めて考えてみるとよく分からないと思いませんか?
「会社の業績がいい」と「自分はこの会社が大好き」ここで考えられるのは、他の2つの理由が自分にとってのメリットが明確になっているからなのです。
なので3番の「会社の業績がいい」だと自分にとってのメリットがよく分からないわけです。
この場合は、「ロジックが隠れている」ことが多いというのです。
つまり、この真意は「会社の業績がいい」からではなく、「給料がいいから」で意味がつながります。面白いですね。
理解するのは話し手ではなく聞き手だをいうことが大事なんですね。
要らない言葉をいかに削るか
「1分で話す」うえで、会話やプレゼンをしている中で、余分な言葉がやはりあるわけです。誰もが聞いたり経験したことのある言葉だと思いますが、それは次の通りです。
・「基本的には」→不要
万が一のことを考えて、「基本的には」と言ってしまいがちですが、基本出ない場合のことを述べないのであればそもそも不要です。
・「先に述べたように」→話をする際には不要
文章の場合には入れることが多いですが、話をするときには不要です。
・「~の観点で」「~を念頭に」といった言葉
「観点で」も「念頭に」も、正確に伝えようとしてこういう言葉を使いたるなるのですが、なくて通じる場合はどんどん削っていきましょう。
・カンタンな言葉を使う
ビジネスなどで横文字を使うことはかなり多いと思いますが、カタカナよりもひらがなの日本の言葉のほうが、わかりやすい傾向があります。
例)
「ブラッシュアップしていきます」→「磨いていきます」
と誰にでもわかりやすいようにしましょう。
頑張ったことは話すな!
これは私はかなりやってしまいがちだと痛感しました。その例をこれから4つ挙げます。
「プロセスを話す」
このように「自分が頑張ったこと」を話し始めてしまいがちなんですが、相手が本当に聞きたいことは殆どが結論です。会社で上司などに説明をするときには注意してください。私も注意します。
気を遣いすぎる
このように気を遣いすぎて結局何が言いたいのかわからなくなってきてしまいます。
自分の意見とは違うことを言う
このように自分の意見のマイナス面を並べてしまう人がいます。プラスとマイナスを両方わかっているうえで話を進めたいのでしょうが、あまり伝わっていないことが多いです。実際に私もこうして書き込んでいる時、何言っているのか全然分かりませんでした。
笑いを入れる
静かで重いような空気だから笑いを入れて場を和ませたいという気持ち、わからなくはありません。ですが、ビジネスで「おもしろい」のは、ロジックです。
最後に
この章はかなり勉強になりました。普段自分がやってしまっていたという部分が何か所もあったので、相手に「何言っているのか分からない」だとか、うまく伝わっていなかったのはそいうことだったのかと理解できました。
感情も論理も大事だけど、会話においては論理がいかに大事か痛いほど伝わりましたよ。
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